女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの


女神さまからのおくりもの 135


第七章 女神さまからのおくりもの 14


「食べてはいけない木の実って?」
「真っ赤な木の実です。神様だけが食べること
を許されている木の実です。この木の実を、一
つでも食べたものは、もうこの世で暮らすこと
はできません」


「その木の実は、湖のほとりにあるのですか」
「はい。でも、その木の実は、人間の目には見
えません。清太の心は、神様のように澄みきっ
ていました。だから、何かの拍子に、赤い木の
実が見えたのでしょう。清太に聞いたら、穴に
落ちた時に見えたようです。うまそうだったの
で、つい一つ木の実を食べてしまったといって
いました」


         つづく