[童話]火とぼし山
火とぼし山 5
第一章 次郎、西の村へ 3
「二回目に行った時も、福寿草の花はなかなか
みつからなかった。あきらめて帰ろうとした時、
ふもとの畑の土手に、黄金色の花が咲いていた。
きれいだったね」
きよと次郎は、土手一面に咲いていた福寿草の
花を、なつかしく思い出しました。
「やっとみつけたぁ」
そういって、二人でとびあがって喜んだことも
思い出しました。
「次郎さん。また福寿草の花をみに行こうよ」
「うん。行こう」
二人は、七年前のことを思い出し、幸せな気持
になりました。
「きよちゃん。おれ・・・」
次郎が、もじもじしています。
つづく