火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 15


第二章 再会 4


二人は、再会できたことを心から喜び
ました。
「はい、次郎さん。むすびよ」
「むすび?」
「次郎さんに食べてもらおうと思って、
持ってきたの。食べて」
きよは、次郎にむすびをわたしました。


「うまいっ」
「おいしいでしょ。次郎さん」
「うん、うまい。きよちゃん、中に入っ
ている梅ぼしも、おいしいね」
「その梅ぼし、私がつけたの」
「へぇー、上手につかっているね。きよ
ちゃん。このむすび、温かいけれど、ど
うしたの」
「私、手で温めながら、歩いてきたの」
 二人は、ならんでむすびを食べました。


      つづく