火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 13


第二章 再会 2


「次郎さん。早く火をたいてね」
きよは、心の中で祈りました。
西山に、ぽっと小さな火がともりました。
次郎と約束していなければ、みのがして
しまいそうな小さな火でした。


「あっ、次郎さんだ。約束通り火をたい
てくれたのね。次郎さん、ありがとう」
きよは、遠くにみえる小さな火を目印に
して、諏訪湖のまわりを歩いて行きました。
しかし、歩いても、歩いても、なかなか
次郎の所へたどりつけません。


       つづく