2018-02-17 火とぼし山 童話 新しい出発 26 「夜遅くにもうしわけない。こ れから、きよを静岡の知り合 いまでつれていってほしい」 「えっ、きよを、静岡へつれて いくのですか」 手長が驚いて聞きました。 「そうじゃ。きよは、自分の名 前も、大好きだった次郎のこと も、何もおぼえていない。記憶 がなくなってしまったきよを、こ こへおいておくわけにもいくま い。きよが生きていることを知 ったら、次郎が何をするかわか らないしな」 明神さまがいいました。 つづく