火とぼし山


  湖の氷の上を歩く娘 13


「じゃあ、早速調べてみましょう」
「手長、足長。娘のこと、たのん
だぞ」
明神さまは、手長と足長に、娘の
ことをお願いしました。



一方、きよと次郎は、いつものよ
うに一晩中語りあかしました。
次の朝。
きよは、さみしそうに家にもどっ
ていきました。



次郎は、きよのさみしそうな姿を
みるたびに、心が痛みます。
でも、住みこみで働いている次郎
には、どうすることもできませんで
した。



湖に氷がはっている間、二人は何
度か会いました。
五日に一度は、会っていたでしょ
うか。


         つづく