火とぼし山


  月に一度の出会い 3


「私は、次郎さんの笑顔をみる
だけで幸せ」
きよは、心の中でそっとつぶや
きました。



「次郎さん。いつものお酒よ」
「きよちゃん。このとっくり、
どうしたの。すごく熱い」
「いつものように、手で温めて
きただけよ」



きよちゃんはそういったけれど、
手で温めてきただけで、こんな
に熱くなるものだろうかと、次郎
は疑問に思いました。


        つづく