火とぼし山


    湖を泳ぐ娘 28


次郎は、自分の気持をコントロー
ルすることができなくなっていま
した。
そのため、きよの話を聞いていま
せんでした。



「次郎さん。ぼんやりして、どう
したの。具合でも悪いの」
きよが、心配して聞きました。
「いや、なんでもない」
次郎が、ぼそっといいました。
その夜、きよは一人でしゃべっ
ていました。


        つづく