[童話]女神さまからのおくりもの
女神さまからのおくりもの 132
第七章 女神さまからのおくりもの 11
「私は、清太さんが大好きでした。清太さん
は、今どこにいるのでしょうか」
「清太は、かわいがってくれたあなたのおと
うさんに追い出され、生きる気力をなくして
しまったのです。そして、湖であなたのまぼ
ろしをみて、湖の中へ入っていこうとしたの
です」
「じゃあ、清太さんは、湖でなくなったので
すか」
「いいえ。私が、清太を助けました」
「女神さまが?」
「はい。清太の肩を後からぐっとつかみ、湖の
中へ入っていくのをとめました。自殺をすると、
どの人も元いた国へ帰ることができません。何
千年も、何万年も、真っ暗な所で暮らさなくて
はなりません」
つづく