2019-03-16 火とぼし山 童話 [童話]火とぼし山 火とぼし山 22 第三章 湖の氷の上を歩く娘 4 「次郎さん、こんばんは」 「きよちゃん。今夜は、ずいぶん早かったね」 「私、湖の上を歩いてきたの」 「えっ、湖の氷の上を?」 次郎が驚いて聞きました。 「一分でも早く、次郎さんに会いたかったから」 「きよちゃん。湖の氷は、まだ薄い。氷が割れ たら、どうするの。こんな寒い夜、湖に落ちた ら死んでしまうよ。頼むから、危険なことはし ないでね」 次郎は、きよのことが心配でした。 つづく