火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 26


第三章 湖の氷の上を歩く娘 8


「氷の上を歩く娘? 明神さま。湖の氷は、
まだ薄い。氷の上を歩くなんて、危険です。
こんな寒い日に、湖に落ちれば死んでしま
いますよ」
足長が、心配していいました。


「だから、娘が湖に落ちないように、二人
でみはっていてほしいのじゃ」
「明神さま。娘は、なぜ氷の上を歩くので
しょう。しかも、夜中に」
手長が聞きました。


         つづく