[童話]火とぼし山
火とぼし山 96
新しい出発 25
すると、
「きよ、静岡へついたかな。おまえはこれから
そこで暮らすのじゃ。わしの友だちのばあさん
と一緒にな。きよ、記憶がもどったら、いつで
も諏訪へもどっておいで。待っているぞ」
どこからか、明神さまの声が聞こえてきました。
「きよ、こっちの方角が、諏訪だよ。さみしく
なったら、足長とよんでください。すぐとんで
きますから」
「きよ。足長と一緒に、時々遊びにくるからね。
元気で暮らしてね。じゃあ、私たちは諏訪へ帰
ります」
手長と足長が、なごりおしそうにいいました。
つづく