ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」の章


  ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」1


かなは四年生になりました。
かなの学校へ、古杉先生が転校してきました。
小柄な色の白い先生でした。先生はかなのクラス
の担任になりました。
先生は、いつも背中に、灰色のリュックをせおっ
ています。そのリュックは、さんざん使ったもの
らしく、古い物でした。



かなはリュックをみるたびに、「新しいリュック
を買えばいいのに」と思いました。
灰色のリュックを初めてみた時から、かなはなぜ
かリュックのことが気になってしかたがありません。
「なぜあの灰色のリュックのことが、気になるのだ
ろうか」
かなは不思議に思いました。



古杉先生もかなの顔を初めてみた時、いつかどこか
で会ったことがあるような、とてもなつかしい気が
したのです。
「どこで会ったのだろうか?」
でも、どこであったのか、先生には思い出せません
でした。



「前世って、本当にあるのだろうか?」
「もし前世があるとすれば、私とかなは、どんな間
柄だったのだろう。全然知らない人だったのだろうか。
それとも仲の良い兄と妹だったのだろうか。仲の良い
父と娘だったのだろうか・・・。いや、おじとめいだ
ったのかもしれない。
もしかしたら、私とかなは仲の良い夫婦だったのかも
しれないな」
古杉先生はこの頃前世について考えることが多くなっ
ていました。


つづく



ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)

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