2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

母の短歌99

木漏れ日に浮きたちて見ゆ岩煙草 紫の花亡き夫偲びぬ 母に似し姉と語れば遠き日の 母の仕草の蘇りくる 子等の幸は親の仕合はせと言ひし母の 心を年経てわれも知りたり 筆まめなりし夫の命日に娘夫婦 便箋とペンを供へて行きぬ

母の短歌

母の短歌97 http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090217#p4 母の短歌98 http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090218#p3

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの21 「私、いやぁー、山の神様ぁー、 お願いだぁーという木遣りの声が、 今でも耳に残っているわ」 「おらは、宮川の近くの丘の上から、 川越しをみた。 激流の中を、御柱が無事に川をわた りおえた時は、感激したな」 清太は、川…

母の短歌98

歌などは教へらるべきものにあらじと 詠まれし先生のみ歌心に沁みぬ 使ふこと少なくなりきて在りし日に 母剥きくれし真綿残れり 去り難く娘と立つ墓辺に在りし日に 夫の植ゑたるハナノキの花 梅雨明けて夏の日光の漲る庭 蝉のぬけ穴日毎に増しきぬ

りゅうのひみつ日記

2月18日 よんだ[童話]風の神様からのおくりものを 読んだよ 子もつかまるみたい おしまい 風の神様からのおくりもの18 http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090218#p1 今、みほようこの日記では、 童話「風の神様からのおくりもの」 を連載しています。 …

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの20 「その場所はね、諏訪の神様が住 んでいる守屋山のふもとなんだ。 春になるとね、林の湿地に、座禅 草がかわいい芽をだすんだよ」 いつも無口な清太が、今日は一人 でしゃべっています。 「今日の清太さんは、別人みたい」 き…

母の短歌97

病み後のろれつの悪しきを嘆きつつも 従兄弟は歌会でひたすらなりき 在りし日に夫の作りし玉しのぶ 赤き芽吹きの日に透きて見ゆ 春風過ぎし朝の裏庭に 散りばふ柿の若葉掃き寄す 花見むと来しユリの木の枯れがれて 根元に一枝伸び立つ緑

りゅうのひみつ日記

2月17日 よんだ[童話]風の神様からのおくりもの を読んだよ 体をふくみたい おしまい 風の神様からのおくりもの17 http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090217#p1 今、みほようこの日記では、 童話「風の神様からのおくりもの」 を連載しています。 風の…

母の短歌

母の短歌95 http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090215#p5 母の短歌96 http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090216#p3

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの19 「これから、高原へ行こう」 「これから?」 「そう、これから。昨日、長者の おともで高原を通ったら、座禅草 の花が咲いていた」 「座禅草の花?」 「おじょうさまは、座禅草の花を 知らないの」 「知らないわ。どんな花」 …

母の短歌96

欠詠をするなの先生のお諭しを 胸に九年励みきたりぬ わが庭の紫蘭の花も一つ葉も 先生を偲ぶよすがとなりぬ アストロメリアを買ひ来し今宵はこの花の 原産国に住む汝を思ひぬ 一面のなづなの花を鋤き込みて 忽ち田の面の色変はりたり

りゅうのひみつ日記

2月15日 よんだ[童話]風の神様からのおくりもの を読んだよ ことばをかけるんだよ おしまい 風の神様からのおくりもの16 http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090216#p1 今、みほようこの日記では、 童話「風の神様からのおくりもの」 を連載しています。…

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの18 「長者さまは、いい息子さんがい て、幸せじゃのぅ」 「いや、清太は、わしの息子では ないのじゃ。 わが家で働いている少年じゃ。 こんなすてきな息子がいたら、う れしいのだが」 二人は、なぜか親子にまちがわれ ました。 …

母の短歌95

間をおきて屋根より雪のなだれ落つる 音のひねもす庭に響きぬ 六時八分で止まりしままの腕時計 亡き夫偲び錆びしを磨く 二十年後の老に備ふると言ふ子等に 我にはかかる余裕なかりき 母のごと慈しみくれし君が形見 ヒマラヤスミレ今年も咲きぬ

りゅうのひみつ日記

2月15日 かんそう[童話]風の神様からのおくりものを読んだ 家に帰るんだよ おしまい 風の神様からのおくりもの15 http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090215#p1 今、みほようこの日記では、 童話「風の神様からのおくりもの」 を連載しています。 風の神…

母の短歌

母の短歌91 http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090211#p3 母の短歌92 http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090212#p3 母の短歌93 http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090213#p3

春の花

春の花の写真 http://h.hatena.ne.jp/dowakan/

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの17 清太は、白駒のことを、何度きよ に話そうとしたことか。 でも、なぜか話すことができませ んでした。 「白駒って、ふしぎな馬だな」 清太は、そう思いました。 清太にとって、何頭もの馬の世話 をすることは、つらい仕事でし…

母の短歌94

セーターの仕上げを急ぐわが手許 今宵洗ひしセロリにほふ 鏡台も手鏡も磨きこの年の 暮れの大掃除漸く終る 立春を迎へし朝有線より流れる 「早春賦」ききて目覚めぬ 照り反す光眩しくシャーベット状の 雪かき分けてからし菜を摘む

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの16 白駒がいました。 白駒は、何事もなかったかのように、 草を食べています。 「良かった・・・。白駒、どこへ行って いたの。心配したぞ。 おれ、白駒が帰ってこなかったら、ど うしようと思った」 清太は、白駒にかけより、ほお…

母の短歌93

トンネルを抜けしまなかひに遠山郷の 盛る紅葉の山並の見ゆ 静まれる平岡ダムに影落し 飛行機雲の西に伸び行く 満天皇の落葉がくれに瑞々し 藪柑子の朱実色冴えて見ゆ 白糸のレースのごとき蜘蛛の巣の 日にきらめきて霜のとけゆく

りゅうのひみつ日記

2月13日 よんだ[童話]風の神様からのおくりものを 読んだ まゆ玉はみるのかー おしまい 風の神様からのおくりもの13 http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090213#p1 今、みほようこの日記では、 童話「風の神様からのおくりもの」 を連載しています。 風…

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの15 「白駒は、どこへ行ってしまった のだろう」 清太は、やしきのまわりを探しま した。 白駒は、どこにもいません。 白駒は、長者が宝物のように大切 にしている馬。 白駒がみつからなかったらどうし よう。 おじょうさまは、大…

母の短歌92

里芋の揺るる広葉に影落し 番のトンボ群れて飛び交ふ こほろぎ一つ走る厨に幾度も 水替へて煮る栗の渋皮煮 夏疲れの特効薬と亡き母が 作りくれにし大根葉の胡麻和へ 防火用水を音立てて飲む野良猫の 痩せし背に秋の日のさす

ぼけの芽

「花のほほえみ」より ぼけの芽

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの14 すると、 馬小屋の戸が、音もなくすぅーと あきました。 そして、白駒が馬小屋をとびだし ました。 白駒の背には、美しい女の人が乗 っています。 「あの美しい人は、誰だろう。 白駒、どこへ行くの。待ってー」 清太は、自分…

母の短歌91

逝きし兄に代れるものなら代りたしと 嘆きいし母の今日十四回忌 医者の身で五十で逝きし兄の訃を 受けし日のごと郭公の鳴く 生漆の強く臭ふ工房に のみのさばきを息つめて見る 新しきケースに移すコケシの顔 旅にまつはる思ひわきくる

りゅうのひみつ日記

2月10日 かんそう[童話]風の神様からのおくりもの を読んだよ 子がまゆ玉をいただくみたい おしまい 風の神様からのおくりもの7 http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090210#p1 今、みほようこの日記では、 童話「風の神様からのおくりもの」 を連載してい…

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの13 ところが、 ふくは、八才の時、守屋山へ福寿草 の花をとりに行き、凍死してしまい ました。 ふくの死は、清太にとって忘れるこ とのできない悲しい思い出でした。 ふくちゃんとそっくりな少女が、お らの目の前に立っている。 …

母の短歌90

フロンガスに代る新製品の開発を願ひつつ 今朝もヘヤースプレーをする 幼な子の風邪の熱さましと石垣に 植ゑしドクダミの花白々と咲く 水ひきし田の面に反す夕光に 眩しく背を向け草をとりはげむ 吾が膝にたまりし水と医者が示す 注射器の中の黄なる液体